藍染の街 再訪問

藍染の街に再び来ています。ちょうど一ヶ月ほど前に来た街です。

バンコクから飛行機で入ったのですが、なんと今回は小さなプロペラ機でした。そのプロペラ機、バスに大きな扇風機がくっついたかのような風体。きっとこの路線は乗客数が少ないのでしょう。機内に入ると、一列4席しかなく、内部もまるでバスのよう。一瞬不安になります。

そういえば、ボーディングゲートで待っている時、2歳にもならないような男の子が走り回っていて、いや〜な予感がしたのです。

案の定、飛行機にのるやいなや、その子が大声でギャンギャン泣き叫んでいました。そうだよね、怖いし、泣きたい気分だよねぇ、私も泣きたいよ〜、、と、かわいそうに思ったのですが、その後すぐ私は熟睡モードに入ったようで、まったく記憶がありません。

それにしても、こんな時、白い目で見たり、苦情を言ったりしないタイの人。お母さんたちにとっては、子育てしやすい環境でしょうねぇ。

着陸直前にもかなり揺れ、となりの席に窮屈そうに座っていた、キチッとスーツを着た大きな体のタイ人男性が、前の座席にしがみついているのを見てしまいました。彼も泣きたい気分だったのかもしれません。なにはともあれ、生身のまま着いてよかったです(前置き長いな)。

ちょうどバンコクも蒸していて雷雨の予報だったところ。到着前にここへも雷雨が来たらしく、空港のまわりは沼と化していました。街中は涼しくてまるで避暑地にきた気分。爽やかさに歌でも歌いたくなります。

 

一歩バンコクから離れると、やはり別世界です。木造のタイの家が立ち並び、路上にねこや犬がうろうろしていて、人ものんびり。みんな恥ずかしそうにニコッとするのがバンコクの人と違います。タイらしさのまだまだ残る地方都市、やっぱり居心地良しです。

週末なのにガラガラの大通り
週末なのにガラガラのメインストリート このあと犬に吠えられてここから退散

 

こんな家も普通に残っていてびっくり
こんな家も普通に残っていてびっくり

 

早速でかけ、街をうろうろして、藍染めの手紡ぎ手織りストールをみていたら、おしゃれなタイ人カップルが。旦那さんが、買ったばかりらしいストールをしていたので、どこで買ったのか聞いてみました。ついでに立ち話。二人ともバンコクから来ているとのこと。奥さんがアーストーンで非常に控えめな色合いの織りのサロンスカートをはいていたので、そちらも聞いてみれば北タイで買ったとのこと。

タイにはまだ探せばあるんですね、そんなすてきな織りの布が。街の名前も聞いてきたので、ぜひ次回行ってみなければ。

今日の収穫 Indigo scarfs I got today
今日の収穫 Indigo scarves I got today

 

布やマッドミー(イカット)のパーシン(サロンスカート)を買おうと思っていたのですが、今回はストールばかりになりました。昨日も今日も、紙袋をたくさんぶら下げて、遭難しそうになって宿にたどり着きました。

前回シンプルな藍のスカーフを扱っていた男装の麗人もいなかったし、カゴ売りのおばちゃんもいませんでしたが、織りの先生に話を聞いたり、家族で藍を栽培して織っている若い女の子に話を聞いたり、学ぶことも出会いもありました。

それにしても、このストールたちの柔らかさ。綿をふっくら紡いであるので、まるでカシミアのような手触りのものもあります。ひとつひとつ織りの具合もまちまちなので、直接見て選んでいただいたほうがいいかな、、。春と秋の展示に持っていきますね。

 

タイティーでひとやすみ
タイティーでひとやすみ 飲むたびなぜ赤いのか不思議なのですが、誰に聞いても訳を知らない。

3/5追記:タイティーやラオスティーが赤いのは、キュアリングと呼ばれれる加工処理の後に、タマリンドの種を加えるためだそうです。タマリンドは、トムヤムクンに入っている酸味のある豆です。東南アジアでは藍染にも使われています。

 

カリカリポークと空芯菜の炒め物。目玉焼きと。My late lunch; Pad Pak Bung Fai Daeng with Moo Grob.

遅めのお昼ご飯。オムレツを頼んだのですが通じなかったよう←でもそんなのどうでも気にしません。自分で作った空芯菜炒めよりも30倍おいしくてワナワナと感動。おじさんに「美味しかった!」と伝えると、ニコニコしながら「そうか!ところで、君はフィリピン人?」と返されました。

 

日が暮れると空気も冷たく、フェイクファーのジャケットを着ている若い女の子たちをお寺の周りで見かけました。フェイクファー、流行っているの?私もジャケットを持って来ればよかったと思いましたが、さすがにファーコートはね、、。タイの人の体感温度がまったく違うことをこんなとき思います。

猫たちも前足を丸めて縮こまっていました。彼らにとっても寒いようです。

藍染めの街

バンコクへ帰りがてら、藍染めの街を通ってきました。

下調べしておいた、藍染めや織りをしている郊外の村へ行ってみたかったのですが、車をチャーターできるかホテルで聞いてみても、手応えのないフニャフニャの答えに出鼻をくじかれます。

時間もないし、(旅行も終盤で疲れていたし)、それなら布だけでも少し手に入らないか、、、と思い、クラフトを扱っているOTOP(一村一製品運動)のショールームへ行ってみるも、中は夜逃げでもしたかのようにがらんどう。

が、たまたまその隣にあった商工会議所のお姉さんに思い切って聞いてみると、なんと日本語のできる友達に電話をかけてくれたのです。聞けば、藍染めのお店が並ぶ通りがあるというではありませんか。タイ語ができなくても、あたって砕けてみるものですねぇ。

昔ながらのタイスタイルの家が並んでいます
昔ながらのタイスタイルの家が並んでいます

 

ここで持ち手のついた籠を購入
途中、ここで持ち手のついた籠を購入。籠売りのおばさんは、午後に通った時にはすでに店じまいしていて、ここから籠ごといなくなっていました。

 

ここは普通のテーラー。藍染めの服も飾ってあります。

 

藍染め市にて。マッドミー(絣のスカート)を専門に売っていた女性。
マッドミー(絣)のパーシン(サロンスカート)専門のお店。もちろん、天然藍染めで手紡ぎ手織り。センスもよくて柄もきれいに縦横合っています。上手な人が織ったことがわかるのですが、はて、どうやって使おう、、?と考えると買うのを迷ってしまいました。

 

こちらのご夫婦はストール中心。マッドミーもありました。
こちらのご夫婦はストール中心。マッドミーも少しありました。

 

私の持っていた籠を見て「いくらだった?」と尋ねてきたおばあちゃん。自分の自慢の籠をだしてきて「私のはここんとこが細いんだよ」と。二人ともマッドミーで作った巻きスカートやパンツを着用しています。
私の持っていた籠を見て「いくらだった?」と尋ねてきた右のおばあちゃん。自分の自慢の籠を家からだしてきて「私のは、ここら辺の目がこまかいんだよ」と。二人ともマッドミーで作った巻きスカートやパンツを着用しています。

 

タイティーで一服。
タイティーで一服。

 

細いダイヤ模様に柄が浮き出た藍染め布。手織り。二巻き手に入れました。
細いダイヤ模様に柄が浮き出た藍染め布。こちらも天然藍染めの手紡ぎ手織り。二巻き手に入れました。

 

体調不良で始まり、実りのないかに見えた今回の旅も、藍染め布やストールを手に入れることができ、よいシメとなりました。次回は買う気でスーツケースを持って出直します。

美山へ

今朝の長野市の気温は4℃。冬に戻ったかのよう。夫が帰省前にストーブ用品を片付けてしまったので、それを引っ張り出してきて薪も運び、ストーブに火を入れたほど。今日の藍染はお休みです。

先日なぜ京都にいたかといいますと、京都の北、南丹市にあるちいさな藍美術館へ行くためでした。ラオスやタイでつるんでいる(?)キョウコさんと、松阪のYさんもご一緒です。

この京都への小旅行、もとはといえばこちらの「布とお茶を巡る旅」で布茶さんが紹介なさっていた、藍のドキュメンタリーDVDが発端。「ちいさな藍美術館」の新道さんもご出演なさっています。館には新道さんの収集なさった藍染コレクションが展示されているとのこと。ちょうど、“Indigo in Asia” edited by Kapila Vatsyayanという本を読んでいた頃だったので、もう藍と聞けば行く気にならずにはいられませんでした。

 

美山 かやぶきの里
美山 かやぶきの里というだけあり、日本昔話のような風景です

 

美山 - 1
かやぶき屋根は火事になったら大変です 各戸にもひとつづつ「放水銃」なるものが設置されていました

 

「ちいさな藍美術館」Little Indigo Museum
「ちいさな藍美術館」Little Indigo Museum 看板の文字ももちろん藍色

 

二階の展示室 右手前は貴州のピカピカ藍染布 
二階の展示室 右手前は貴州の藍染ピカピカ布の上着  このフレーム外ですが、ミャオ族の刺繍ねんねこもありました

 

こちらは日本の藍染着たち 一つ一つすばらしいものばかり
こちらは日本の藍染着たち 一つ一つがすばらしいものばかり 意味が込められた服というのも、今はなかなか作られていないですよね

 

今や懐かしい「かいまき」。こんな藍のものもあったのですね。
今や懐かしい「かいまき」。こんな藍のものは見たことがありませんでした。

 

展示の藍染めコレクションを見ていると、人間というのは、昔から藍という色に惹きつけられて生きて来たのだということを改めて思いました。美山の美しさもさることながら、世界中を、時間を超えて藍というつながりで旅してきたような気分になり、非常に心満ち足りた1日でした。

前述の藍のドキュメンタリーDVD(ブルー・アルケミィ)を見て疑問に思ったこと、これまで本藍発酵建てで染めてきて疑問に思ったことなどなども、新道さんにしつこく伺いましたが、お仕事の手を止めて、丁寧に私の質問に答えてくださいました。

新道さんは、ご自身の藍染め作品もすばらしいだけでなく、技術や工夫を惜しみなく教えてくださる、本当の先生でした。私もまたやる気が湧いてきました。新道さん、どうもありがとうございました。

 

新道さんの工房にて 藍甕は全部で12基 ご自分で掘って埋めたそうです
新道さんの工房にて 藍甕も元々は全部で16基 ご自分で土間を掘って埋めたそうです 温度管理についても教えてくださいました

 

灰汁を取るための装置。これもオリジナル。私も作ってみたいです。
灰汁を取るための装置。床下に灰汁を受ける甕が。これもオリジナル。私も作ってみたいです。

 

新道さんの工房 北側の眺め
新道さんの工房 北側の眺め

 

こちらは嵐絞りを縦に模様がつくように絞っているところ。新道さんがお作りになった装置。
巻きつけた布一反に、手で細かいひだを寄せていきます(画像は白飛びしてしまいましたが)。大変手がかかる作業。これも新道さんがお作りになった装置。

 

絞り作品を見せてくださっている新道さん
こちらが上の絞りを藍染してほどいたもの。細かいプリーツのようで、豊かな表情があります。見せてくださっているのは新道さん。

 

美山にはきれいな水が流れていました。藍染に最適ですね。そういえば、来る道道、酒蔵も見かけました。
美山にはきれいな水が流れていました。藍染に最適ですね。そういえば、道中、酒蔵も見かけました。

 

移動スーパーへ、休み休み向かうおばあちゃん。かごに注目。
村には、一見献血車のような車の移動マーケットがが来ていました。休み休み向かうおばあちゃん。かごに目がクギ付け。

 

美山
「美山」の名の通りです

雨が降っていなければ(バスの時間も押していたせいもあるけれど)、村を一周して、小高い丘へ登ったり、神社なども巡ってみたかったです。最後に新道さんに教えていただいたスポットから村を見渡してきたので、よしとしましょう。

一人では無言の旅となりそうでしたが、Yさんとキョウコさんのおかげで、ワクワク感も盛り上がり、とても楽しい旅となりました。Yさん、キョウコさん、一緒に来てくださってありがとうございました。

 

「ちいさな藍美術館」は、JR京都駅から電車とバスを乗り継いて、1時間半から2時間ほどの道のりです。

ちいさな藍美術館

ちいさな藍美術館 facebook

美山ナビ

 

インド藍染め その後

先日インド藍で染めたもの

インド藍ハイドロ建てで染めてみたリネンのブラウスですが、スッキリとした色に上がりました。琉球藍と似た色のように思います。

先日インド藍で染めたもの
先日インド藍で染めたもの

すくも藍で染めると、葉に含まれる茶色のアクまで一緒に染まりつきます。そんなすくも藍染の時は、藍甕に浸して染めた後、アク抜きのため、井戸水で洗っては絞ること、水を3度換えて繰り返します(仕上げに熱湯で洗うことも)。すくも藍染めでは、一枚染めるのに、何十回絞っていたことでしょう。腱鞘炎にもなるわけです。

今回は、初めからきれいな藍色なので、アク抜きの必要もありません。私も手を傷めずに済みそうです。

少々気になるのは、色の落ち具合。ずっと以前にタイで買った藍染め布は、いつまでも色落ちがありました。アジアにある藍染布は「染色後の洗いが不十分なことが多い」と、どこかで読んだことを思い出します。今回、染めあがってから、今まで以上によーく洗いをかけて仕上げてみます。

 

木版
バンコクから持ち帰った木版の整理

 

草木染め用の防染のりなども注文したので、バンコクから持ち帰った木版も出してみました。

インドの木版プリントは、近頃は化学染料が中心となっているようですね(職人の健康被害もあるので、植物染料でやろう、という動きもあるようですが)。昔の草木染めプリントの技術やレシピを記したものは、ラルフの持っていたバングラデシュの染色家の本と、「更紗: 美しいテキスタイルデザインとその染色技法」という本以外に適切なものが見つかりません。しかし、このラルフの本は絶版に(←詳しくメモはとってきました)。

でも、英語圏でテキスタイルプリントの技術本がたくさん出ているのを見つけました。夫が来月アメリカに里帰りするときに合わせて注文しておいて、あちらから持って帰ってもらうことにしました。文献も参考資料も少ない中、手探り状態からの出発なので、こちらはゆっくりととりかかります。この夏には本格的にできるといいな、、という予定をしています。

 

今日は寒い1日でしたが、お天気はよく、夕方の散歩も気分よく行ってきました。向かいの山のてっぺんにまだ雪が残っていて、そこに夕日が当たり、見事なピンク色に染まっていました。恩師の小池千枝先生が、「彫刻家は長野県出身が多いのよ。山を見て育っているから立体感覚が身についている」ということをおっしゃっていたのを思い出します。ここ北信はなだらかな山に囲まれていますが、中信(松本の方)はもっと険しい表情の山々が多いので、先生のお話もなるほどだなぁ、、、などと思いながら歩いてきました。

散歩の相棒・息子は少しお休みです。先日の散歩中、豪快に転んで、指先をパックリ開く怪我をしたのです。

私たちの子供時代は、怪我をしたらまず赤チンをつけてガーゼを当てて固定するか、傷が小さければ絆創膏、というのが定番でしたよね。今はどうなんだろう?と思っていたのですが、妹(←医療関係者)が「ハイドロサイト」という創傷治癒のための親水性パッドなるものと防水フィルムで手当てしてくれました。

今は傷を乾かさないようにして直すのですね。技術の進歩があっという間に起きていることに驚きです。こんなにいいものがあるなんて。家族の誰かが怪我をすることももうないので(母がすこし前にスライサーで指先を切り落としましたけど)、最新式の手当ての方法を全く知りませんでした。

そういえば、私たちが子供の頃は、毎日外で遊んでいたので、大なり小なり怪我をするのも日常茶飯事でした。息子がこんな怪我をしたのは初めて。今まで激しい外遊びをしていなかったということなのでしょう。過保護もいけませんね。親としては、ちょっと反省です。

果物の色

リネンストール

春には染めないリネンストールですが、秋の展示に向けてせっせと染めています。

今日染め重ねたもののうち、この真ん中のストール、どこかで見たような色だと思ったら、先日父が収穫したぶどうの皮の色に似ています。このぶどう、ジュースに絞ると赤みが加わって、これもまたいい色です。こんな色のストールも染めてみたい。

右のストールは、勝手に名付けた”ラズベリー色”になる予定です(もうすこし染め重ねます)。

 

今日染めた分を乾燥中
染めた分を乾燥中

 

 

ぶどうジュース
自家製ぶどうジュース

 

夕方、作業が終わったところに雨がパラパラ降ってきました。ここのところ、梅雨のような天気ですね(信州だけでしょうか?)。