もうすぐ帰ります

morning glory

立体裁断の講習も、残すところあと明日1日を残すのみとなりました。

初日の月曜日に、絶望的な気分で学校を出てホテルに戻ったのが、もう遠い昔のように感じます(二日目も絶望は続きました)。この一週間で上手くなったというわけでは全くないのですが、自分の中の改善すべき点が山のようにあることに気づくことができたこと、これが収穫のうちの一つです。

講習の内容も密度が高すぎて、なかなかまだ消化しきれていません。あとは、先生がデモンストレーションでお作りになった、神業のように美しいシルエットの残像が脳裏にあるうちに、家へ帰ってから復習しないと、、。

 

この立体裁断の講習の受講者は、かつては、企業が費用を負担して、技術向上のために送り込まれている(?)パターンナーさんたちが主だったようです(いつもパターンを助けていただいている、大谷直子さんにも同じことを聞きました)。

しかし、今のアパレルは、CADというプログラムを使ってコンピューターで型紙を作る時代。大量生産型のアパレルメーカーには、手でつくる立体裁断の必要性が低くなってしまっているそうです。でも、コンピューターでできることには限界もあるとのこと。よいものを作るには、やはり立体裁断が必要なのです。

今回の講習の参加者は、自費で受講しているパターンナーさんたちと私だけの少人数制。手馴れたプロのパターンナーさんに混じって、”「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というけど、一時の恥も一週間続くとつらいなあ、、”というのを体現しながら受講していた私でした。

それでも、あまりに厳しいオーラが漂っていたため、昔は質問をするのもはばかられたという程の先生に(Tさん談)、ほとんどプライベートレッスンのように丁寧に教えていただき、この上ない贅沢な講習でした。

また来年来られるかなぁ、、(←懲りていない)。

 

毎日朝にホテルを出て、帰ってくるのは8時過ぎ(せっかく東京にいるのに、他はどこへも行かれませんでしたが)。でも、自分のためだけにこんなに時間を使うことができるなんて、子供が生まれて以来、初めての一週間です。

大人になると、なかなか勉強したくでもできないですよね。今回、どっぷり学校の課題に取り掛かることができたのはとても幸運でした。家で息子の面倒をみていてくれる夫、それを助けてくれた実家の母や妹にも感謝です。染めばかりに入れ込んでいないで、よりよいパターンもできるように精進します!

 

明日(土)の夜に長野へ戻ります。あさって(日)には選挙にいかないと。

morning glory MAMIYA M645 Pro TL Sekor 80mm F/1.9 Fuji Velvia 400 (Cross processing)
Summer 2013

 

余談ですが、、、、

今日、私が着ていたブラウス(イギリスの女性デザイナーMさんが、実用的でシンプルなライフスタイルを提案しているブランドの、、←ピンとくるかたもいらっしゃるのでは?)を先生にお見せして、肩のあたりの線についてご意見を伺ったのですが、これも参考になりました。

特別に安い服でもなくて、しっかり作ってあるようでいても、パターンに問題の服というのは、やはり多いものなのですね(私感ですが)。安い服なら言わずもがな、です。

着にくい、流れが美しくない、へんなシワがでる、、などなど、立体裁断がこのパターンの問題に答えをだしてくれます。ならば、もっと努力して上手にならないといけませんね。

行ってきます

リネン帆布のバッグ。もちろん発酵建ての藍染です。

息子の肺炎も快方に向かっているものの、私も夫もゾンビ状態。気管支炎がなかなか治らず、我が家は咳の館となっているこの頃です(ご心配くださったみなさま、どうもありがとうございます!)。

さっさと先に元気を取り戻しつつある息子が、「カブトムシ採りに行こうよ〜」と勝手なことをぬかすので、殺気立つ母なのでした。

今朝なぞ、隣の部屋から「これはなんだ?!」と夫の声。見れば、床の上をミミズがはっています。きのう、暇で困った息子が持ち込んだ、庭の土から脱走したミミズだったようです。ああ、踏まなくてよかった。

そういえば、フィラデルフィア帰省直前に夫が肺炎にかかったもあるし、私も去年の展示会直前にぎっくり腰をやりました。ペナンで父子二人の時に、シラミ&南京虫事件が起きたし、、、

どれもなんとか切り抜けてきたので、今回もなんとかなるでしょう。私は予定通りに、月曜日から立体裁断のコースへ行くつもりです。

シーチングの用意
シーチングの用意。この後の下準備が結構大変でした。

 

さて、今日はそのための荷造りをしていたのですが、必要な道具もあれこれあって、結構な量の持ち物です。ドレーピング(立体裁断)に使うシーチングは、あらかじめ裁って準備しておきます。人台は貸していただけるとのことで、持参せずにすみました。しかし、この荷物で無事にたどり着くのでしょうか、、、?不安。

今年の春夏も、皆様にはたくさんの作品をお買いいただきました。嬉しいメッセージもたくさんいただきました。本当にあたたかなお気持ちのお客様に恵まれ、私はとても幸せです。どうもありがとうございます。私がパターンの腕を上げ、さらに気心地のよい服を作ることで、みなさまへ少しでも還元できたら、、と思っています。明日から、頑張ってきます!

 

リネン帆布のバッグ。もちろん発酵建ての藍染です。
七つ道具もこのバッグにぴったりはいりました。何年か前に作って、手元に残った縦長リネン帆布のバッグ。もちろん発酵建ての藍染です。

 

製作ノート「素材と形つくり」 / Fabric to Fabrication

 ■パターン製作 Pattern making 

デザインからサンプル縫製まで、アトリエで仕上げます。アパレルの世界では、パターン作りもコンピューター全盛の時代ですが、私はアナログな手作業を好んでいます。平織りの綿生地(シーチング)を人台に着せつけながらパターンを形作る、立体裁断(ドレーピング)の手法で作っています。

Only natural and high-quality materials are used in the making of our clothes.

This line of clothing is made in large part from European linen yarns woven in Japan, and also wool, cotton and silk fabrics, that are dyed using natural materials (mostly plant-based dyes), and which clothes are sewn, and hand-dyed by me, in Japan.

The works are carefully sewn, well-made, and will last a long time. Fabrics used will soften with wear and washing; colors naturally undergo subtle changes as well over time.

人台に着せつけながらパターンを作ります。
人台に着せてパターンを形作っていきます。

 

■縫製のこと  Sewing method

仕立てにもこだわります。

ロックミシンを使わず、縫い目を折り伏せ縫い(縫い目を折り込んで仕立てること)や割り伏せ縫いで始末しているので、丈夫で長持ち、そして脱いで裏返した時もきれいです。針目も細かく縫います。

例外的に、ウールやウールジャージ(ニット地)を縫う時は、4本糸のオーバーロックミシンも使うこともあります。

折り伏せ縫いの例
折り伏せ縫いの例 / Example of flat fell seam

 

■素材について Materials

時間が経つにつれ風合いのでる、良質の自然素材をつかいます。

・麻 (亜麻 / Linen)

麻には苧麻やジュートなど何種類もありますが、主に使うのはリネン(亜麻)です。

製作には、イタリアンリネン(イタリアのリニフィッチオ社)や、フランスなどのヨーロッパ産の最高品質の糸から日本で織られたリネンを使っています。

リネンはチクチクするものと思っていらっしゃる方もおいでですが、高品質の糸は、織られる前によく洗いがかけてあるため、チクチクすることもなく、とても滑らかです(このあたりがお値段の安いリネンとの差です)。

使えば使うほど繊維がほぐれ、水分を吸い取りやすくなります。なじんで柔らかくなると、もう手放せません。なじんだリネンは、大きなシワもできないほど柔らかく、アイロンかけも必要ありません。着込んでご自分のリネンを育ててみてください。

リネンのいろいろ / linen fabric we use.
リネン 平織りからガーゼまでいろいろ / linen fabric we use

 

・綿(コットン / Cotton)

手間ひまかけて手紡ぎ手織りされたカディコットンは、軽く、涼しく、夏に最適の素材。北インドで作ってもらっています。主に細い糸で織られたものを使っています。また、3年以上無農薬で育てられた綿花からつくられるオーガニックコットンなども使います。

カディコットンとオーガニックコットンローン Khadhi cotton from India and organic cotton lawn.
カディコットンとオーガニックコットンローン / Khadhi cotton from India (left and centre) and organic cotton lawn (right)

 

・毛(ウール / Wool)

冬のケープなどは、先染めのウール、カシミアやアンゴラなど、天然獣毛100%の混紡生地から作っています。リネンとウールの混紡は草木染めしています。

藍で染めたウールリネンのストール
藍で染めたウールリネンのストール/ Indigo dyed woolen linen scarf.

 

カシミアウール。カシミア率の高いものを選んでいます。
カシミアウール。カシミア率の高いものを選んでいます / Cashmere wool fabric for winter items.

 

・糸とボタン

ミシン縫い糸、ボタンつけ糸共に、綿100%の糸を使用(ニットやウール類の場合をのぞく)。ボタンは貝ボタンを手で縫い付けます。白蝶貝、高瀬貝、黒蝶貝、茶蝶貝など。

ボタン
貝ボタン / shell buttons

 

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