製作ノート「藍」/ Indigo

indigo dyed linen clothers 草木染めや琉球 藍染め リネンのワンピースやチュニック 乾燥中

自然のシンプルな材料を使って、天然灰汁発酵建てで染めています。

「すくも」「琉球藍」または「自家製の泥藍」などの、バクテリアの生きている天然藍をつかって藍を建てます。(2016年は日本における藍不作のため、南インドから来たインド藍も補助的に使いました)。

苛性ソーダ(ハイドロサルファイト)を助剤として使い、簡単にできる化学建てもあります。ですが、私は自然の材料で建てることにこだわり、基本的には草木灰や砂糖などを助剤とする天然灰汁発酵建てで染めています。

Using simple materials of Nature, dyed by natural ash fermentation.

I prepare vats of natural indigo in Nagano by fermenting indigo leaves using living bacteria. I use “sukumo” (composted indigo leaves from Tokushima), “Ryukyu ai” (indigo extract from Okinawa), or our own homegrown indigo leaves. (In 2016, I had to supplement with indigo from South India, because of the indigo crop failure that year in Japan).

Of course, it is easier to use chemicals, such as caustic soda, as reducing agents, but I continue to use natural materials, with natural ash fermentation, using vegetable ash, sugars, etc., as reducing agents.

■藍と材料/indigo and additives 

 天然藍/Natural indigo

以下の4種類のうち、手に入る材料を使います。手に入る材料は、その年によって異なります。

いずれにしても、重労働の藍草栽培を経て、手作業で作られる藍の染料です。しっかり発酵させて、余すところなく使いたいと考えています。

 

-琉球藍/Indigo extract from Okinawa

琉球藍は、沖縄で育てられる琉球藍の生葉を水に浸して発酵させ、色素のみを抽出したものです。その形状から「泥藍」とも呼ばれます。

色素を取り出すのに、大量の藍葉が必要です。例えば、20kgの泥藍をつくるのに、200kgの生葉が必要だそうです。

琉球藍 泥藍 沈殿藍 indigo extract okinawa
琉球藍。お酒で練ります。Indigo extract from Okinawa

 

-すくも/Composted indigo leaves from Tokushima

すくもは発酵したタデ藍の葉です。

すくもを作るには、収穫した藍の葉のみを取り分けて乾燥させ、一カ所に積み上げます。毎日切り返してまぜること100日。堆肥を作るように水分を調整しながら発酵させます。腐葉土のようになったら完成です。

すくもに含まれる藍の色素はとても少なく、原料となる藍葉は大変な量を必要とします。徳島では「藍師」とよばれる数少ない専門家がこの手間のかかる仕事をしています。

藍染めに使う 徳島のすくも。すくも建てします。腐葉土のよいかおりがします。composted indigo leaves from Tokushima
徳島のすくも。腐葉土のよいかおりがします。使う前には灰汁で練ります。Composted indigo leaves from Tokushima

 

-泥藍/My own indigo paste

自宅の畑で育てたタデ藍の葉から抽出した泥藍です。藍草をたくさん育てても、取れる泥藍はほんのわずか。詳しくはこちらのページをごらんください。

できたばかりの泥藍(の一部)
できたばかりの泥藍(の一部)

 

-インド藍/Indigo powder from Southern India

インド藍(ナンバンコマツナギ)の葉っぱを水の中で発酵させ、人力で抽出された色素です。南インドのタミルナドゥの代々続く藍農家から分けてもらっています。

天日でケーキ状に固めてあるものを、砕いて粉末にしてもらいます。乾燥しているためバクテリアは生きていないのですが、すくもや琉球藍が手に入らない年には補助的に使っています。

 

糖分/ Natural sugar (antioxidant) 

日本酒や水飴、果糖なども使います。自然の糖分は、藍の液から酸素を取り除き、藍が水に溶ける助けをします。

灰/ash

糖が働くよう、アルカリ性の環境を作ります。

 

■基本的な藍建ての手順/Preparing a vat of organic indigo

私のアトリエでは、200Lの容器を藍甕として使っています。

灰汁で満たした藍甕に染料となる藍を加え、糖分を与え、温度などの条件を整えてあげます。一つの甕に、すくもを14キロ、琉球藍なら10キロ使います。

以下は、琉球藍や泥藍を使った基本的な天然発酵灰汁建てを説明しています(すくもを使う場合は少し手順が異なります)。

 

7. 藍バクテリアの餌になる砂糖(今回はてんさい糖)

 

発酵を待ちます
発酵を待ちます

 

 

藍甕 24th July, 2015

 

藍の華 藍瓶 indigo vat 藍が建つと、攪拌後に「藍の華」と呼ばれる藍色の泡がたちます。
6) 藍が建つと、攪拌後に「藍の華」と呼ばれる藍色の泡がたちます。これでもう染められます。

 

染めるものをこの藍の染料液に浸け、引き出して空気に当て酸化させます。黄緑に染まった布が、酸素と反応して青く変化してきます。

この行程を何日もかけ繰り返して濃い色に染めていきます。藍のバクテリアが疲れるので、一日に染められる量はわずかです。染めた後のバクテリアの調子が戻るまで、その後、一日かかります。

黒に近いほど濃いものは、染料液に浸けては引き出し酸化させること20回以上、何日もかけて繰り返すことになります。

藍染めしたリネンの服を水につけて灰汁抜きします アクヌキ
染めた物を水につけてアク(茶色の色素)を抜きます。

 

草木染め 天然の藍で染めたシャツ natural indigo dyed shirt and blouse
藍で色々な濃さに染めたシャツ。深い海のような透き通る藍の色は、使い込んで洗うほどよい色になっていきます。

 

■ インディゴ染めと本藍染めについて

現在、市場にでている「インディゴ染め」の表記のある製品のほとんどは、化学染料である「インディゴピュアー」という人造藍をつかったものだそうです。「インディゴピュアー」(=純粋な藍)という名前がついていても、これは化学的に藍の成分を合成したもので、天然の藍ではありません。

これに対し本物の天然発酵建ての藍染め製品には、「本藍染め」または「正藍染め」などの名称がつけられています。(工業製品などには、苛性ソーダで染められたものや、インディゴピュアーなどが混用されていることもあると聞きます)。

 

参考資料
「草木染め染料植物図鑑」山崎青樹著 美術出版社
「工程写真によるやさしい植物染料入門」 吉岡常雄著 紫紅社

 

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進行中です

DM発送しました

昨日、松本展のご案内DMを発送しました。今週中にお届けとなると思います。

今回は、私の都合で開催時間が変則的となっています。初日はお昼の12時からのオープンです。勝手を申し訳ありませんが、どうぞお気をつけていらしてくださいませ。

今回も、グレインノートへ4日間通うのを楽しみにしています!

 

晴れ間

長雨のあとのよいお天気、今日も頑張って染めの仕上げをしていました。日陰干しでも、お日様と風のおかげで久しぶりによく乾く1日でした。

 

大判リネンストール 乾燥中
大判リネンストール 乾燥中

 

朝晩ずいぶん涼しくなりましたが、琉球藍も頑張って働いています。

琉球藍を草木灰と甜菜糖だけで建てたので、瓶の蓋を開けると、発酵食品のような甘い香りがします。夫はこのにおいが苦手のようですが、ハイドロを使う化学建ての藍なんて、薬品のいやなにおいがするんですよ。

発酵建ての藍は、藍そのもののよい香りだと私は思います。スーハースーハーしすぎのせいか、休憩時にタオルで顔を拭くと、タオルが青くなるありさまです。

 

草木染め いろいろな段階の染め
いろいろな段階の染め まだまだ染め重ねていきます

 

日本の小学校

この春から、近所の小学校に体験入学している息子ですが、冬まで通いたいとの本人の希望で、予定より長めに長野にいることにしました。

今年は合わせて約4ヶ月間通いましたが、話し言葉の上達の早いこと。家庭での会話も日本語で話すことが多くなり、本も読んだり、苦手だった状況説明もできるようになりました。子供の吸収力に驚いています。

 

それにしても、改めて思うのですが、日本の基礎教育のレベルは高いですねぇ。しかも、公立小学校ならどこへいっても同じ程度の教育が無料で受けられることを考えると、なかなかこんな国はないと思います。校舎も校庭も広いし、大きな体育館だってプールだってあるし(ペナンで行っていた学校にはプールがなかったのです)、、まあ、授業の様子を見るとカオス状態ですけれど。

インターナショナルスクールも様々だと思いますが、教育レベルや施設の充実度を考えると、玉石混合という言葉が頭に浮かびます(私の知る限りでは、ですけれど)。

 

そういえば先日は、北米出身のAET(英語指導助手)が息子のクラスを訪れたとのこと。授業は英語で行われ、息子に「君はどこから来たの?」とAETから質問があったそうで、なんと答えたかと思えば「Japan」と返したそうです。きっと違う答えを予想して質問したんでしょうけどね〜。

 

虫の研究
虫の研究に余念がない人

展示の準備 

秋の展示

毎年、秋の展示を10月に開いていたのを、今年は9月に前倒ししました。せっせと毎日染めているのですが、この時期は雨が多くてなかなか乾きません。10日からの松本展に間に合うのかな、、、少々不安です。

今秋のリネンストール、3種類の幅のものを現在染め重ねています。画像は、今回で一番広い、幅100cm以上あるもの。寸法に切ってから、両端の糸を抜いてほぐしてフサにしたばかりのところ。この後に、のり抜きをして染めます。

 

幅広リネンのストール フサを作っているところ
幅広リネンのストール フサを作っているところ

 

琉球藍のシャツも、いい色に染まりました。これも素材はリネン。後ろにもギャザーがたくさん入っています。前を開けて羽織っても良さそうです。

 

四角豆

毎朝、窓を開けると、デッキの上にはカゴに入った野菜が置いてあります。ゴンぎつねではなく、母が庭で収穫したばかりの野菜を持ってきてくれるのです。少なくなった夏野菜に代わって、サツマイモやらブドウやら、このごろは秋の味覚も出てきました。

そういえば最近、四角豆の巨大な棚(父作)に、青い花がちらほら見えるようになりました。収穫が楽しみ(って、どれも私が育てているのではありませんが)。ペナンにいるときに、この四角豆とココナツフレークでよくサラダをつくったのですが、花を見るのは初めて。

 

四角豆 angle bean wing bean
庭の四角豆 花が咲き始めています

 

製作 進んでいます

藍染め その後

秋の展示DMに「ランタンスリーブのコート」とありますが、ランタンスリーブとはなんぞや?とお思いになった方のために、下の画像、手前の二枚がそのコートです。イタリアのリニフィッチオ社の厚めのリネンで作りました。着丈を少し短めにしたので、パンツにも合いそうです。

雨のおかげで井戸水の心配もなくなったので、せっせと藍染めをしています。藍のバクテリアが疲れてしまうので、1日に染められる量も限られていますが、涼しくなり始めたこの頃も、相変わらず頑張って働いてくれています。

 

手前がランタンスリーブのコート 琉球藍で染め重ね中です
手前がランタンスリーブのコート 琉球藍で染め重ね中です

 

秋のたのしみ

真夏でもせっせとパンやバナナブレッドを焼いている夫ですが、台所が熱くなるので夏にオーブンを使うのを私は避けていました。ようやく最近は、紅茶と一緒にいただくお菓子を焼く気分が戻ってきました。四季があるというのは、毎日の生活にメリハリがあっていいですねぇ!

 

バターでなく、菜種油でつくったクルミのビスケット
バターでなく、菜種油でつくったクルミのビスケット

 

ブログのタイトルには関係ないのですが、小学校の新学期が始まったところで息子に「そういえば、防災頭巾ってないの?」と聞くと、「ない」との答え。私の小学校時代には、防災頭巾が座布団兼用でした。防災頭巾どころか座布団もなければ、木の椅子にじかに座るのは真冬なんて寒いんじゃないかな?と思うのですが。

私は小学校を数回転校したのですが、防災頭巾というのはどこの学校へ行ってもあったような覚えがあります。9月1日にはこれを被り、机の下に隠れて防災訓練をしました。冬は座布団として使えば暖かいし、地震の時には被って身を守ることができるし、一石二鳥だと思うのですが、どうして廃止されたのでしょうね?なんとなく謎です。

 

雨が降るようになり、秋のバラもポツポツ咲き始めています
雨が降るようになったおかげで、秋のバラもポツポツ咲き始めています

製作の続き

藍染め

ようやくまとまった雨が降るようになり、ホッとしています。

庭もカラカラでしたが、井戸の水がなくなってしまわないか心配だったのです。天然発酵の藍染めは、バクテリアが死んでしまわないよう、塩素の入っていない井戸水を使って洗いをかけます。これから本格的に藍染めに取り掛かることができます。

 

藍染め 琉球藍の攪拌。毎日朝夕、欠かさず行います。
琉球藍の攪拌。毎日朝夕、欠かさず行います。

 

灰汁で建てた天然発酵の琉球藍も、相変わらず元気です。もうお盆過ぎはどんどん寒くなってくるので、元気なうちに染め上げないと。

ちなみに、私の着ている作業着は、リネンガーゼのチュニックを徳島すくも藍の天然発酵建てで染めたもの。何年か前に藍染めをしていて腱鞘炎になりましたが、その時に苦労して染めたものです。この夏は、洗って干して、、、を一ヶ月半も繰り返したのですが、色がまったく変わりません(しかも海へ・・ではなく、使ってはいけないアルカリウォッシュで!)。さすが天然発酵の藍。

化学建ての天然インド藍などを使ったこともありましたが、このような色の持ちはありません。ゆっくり、じっくり、時間をかけて染めたものは、それだけ長持ちするということなのですね。

 

着やすいパターン

友達の大谷直子さんに、来年用のパンツのパターンを作っていただきました。リネンキャンバスか藍染めの布で作りたいと思います。

大谷さんとは99年頃に松本で知り合いました。大谷さんがいなければ、今でも私が服を作っていることはなかったかもしれません。安曇野でオーダー服を仕立てたり先生をなさったりとご活躍の大谷さんですが、かつてはKENZOさん関係のパターンのお仕事をしていらしたのです。パターンでわからないことがあると、泣きついている私。よく考えられた大谷さんのパターンはとても着やすいのです。

ちなみに、民族衣装的な要素を取り入れていたかつてのKENZOさんも、民族衣装をそのまま持ってくるのではなく、パターンは現代的に変えていたというのですから、納得。

たしかに、直線裁ちの服は着崩れしやすいですよね。夫がビルマでロンギー(またはロンジー、サロンスカート)を履いている男の人に「着心地はどう?」と聞いたところ、「一日になんども着崩れを直しているんだ」という答えが返ってきた、というのを思い出します。

 

大谷さんのパターンはとてもきれい。これにポケットを付けます。
大谷さんのパターンはとてもきれい。これにポケットを付けます。

 

来年用の王子様ブラウスの生地をどうしようか考え中です。うかうかしている間に、来月はもうグレインノート展とhako+展。こんな調子であっという間に秋に突入しそうです。

 

ラベンダー
庭にて