グリーンと赤

去年に引き続き、今年もどうもスズメバチが多いようです。毎日庭に飛んできてガラス窓にぶつかっていきますし、アトリエの中にも巨大な(本当にスズメほどの大きさ!)のスズメバチが飛び込んできました。

藍のにおいも好きなようです。藍染を始めると、頭の上であの嫌な羽音が聞こえてきます。

先日は、藍甕の蓋を閉めようとしたところに飛び込んできて、甕の中で溺死寸前になっていたマヌケな一匹がいました。今日来た一匹は、染めた服に止まったり、服からしたたる藍を飲んだり(?)していました。これでは安心して作業ができません。宇宙服でも着たい気分です。

昔から、藍で染めた農作業着はハブよけや蚊よけとされてきたと聞きますが、これもどうも怪しいなと個人的には思います。藍の服を着て藍染をしていても、あちこち蚊にさされるんですから(蛇にはまだ噛まれていません)。

 

藍とミロバランのグリーン
グリーンの染め重ね ひとまず終了!

 

藍染カディコットンとリネンのブラウス
藍染はまだまだ続きます リネンとカディコットンのブラウス

 

ラックダイのピンク 茜と蘇芳の赤 
ラックダイのピンク 茜と蘇芳の赤

ここのところ、インドの木版プリントの本を読んでいたのですが、草木染めの木版には、藍と茜が主に使われているようです。その濃い茜の赤が気になりはじめ、今回はその色に挑戦しているところです。蘇芳とインド茜を重ね、毎日毎日染めて少しずつ濃くしていきます。

とある染めの本を引っ張りだしてきて見ていたら、「600gの絹に3kgの茜(根っこ)」を使うと書いてありました。そういえば、以前も茜で朱色を染めた時、何度煮出して重ねたのかわからないくらい染めたのでした。赤も苦労の色ですね。でも、しっかりとした赤の中にふんわりとした柔らかさとムラ具合があって、草木染めならではのきれいな色です。

そんなわけで、この赤は17日からの自由学園明日館展には間に合わないしれません。6月1日からのオンラインストアには間に合うかな、、、?

満開です

夫と息子がアメリカの実家へ旅立ちました。その準備やなにやらでバタバタしていたのですが、昨日二人を送り出し、私もようやくホッとしています。

りんごの写真を撮り、カディブラウスの染めていない分をノリ抜きして干し、藍の面倒を父に託して、私は昨日の夜行で京都へ来ました。ひとまず、昨日自宅周りで撮った写真からアップです。

 

カディ コットンブラウス
カディコットンのブラウス ノリ抜きをして洗って干しているところ。よく乾きました。

 

藍もやっと芽が出てきました

ライラックの花
ライラックの花 もうそろそろおしまい

 

りんごの花
今年は随分早かったりんごの開花

 

りんごの花 -
食料の買い出しに、家の横にある古道、通称「馬道」を通っていきます。先日の買い物の帰り、りんごの花摘みをしていたおじさんに「動物園にでも行ってきたのかい?」と聞かれました。

製作ノート「素材と形つくり」 / Fabric to Fabrication

 ■パターン製作 Pattern making 

デザインからサンプル縫製まで、アトリエで仕上げます。アパレルの世界では、パターン作りもコンピューター全盛の時代ですが、私はアナログな手作業を好んでいます。平織りの綿生地(シーチング)を人台に着せつけながらパターンを形作る、立体裁断(ドレーピング)の手法で作っています。

Only natural and high-quality materials are used in the making of our clothes.

This line of clothing is made in large part from European linen yarns woven in Japan, and also wool, cotton and silk fabrics, that are dyed using natural materials (mostly plant-based dyes), and which clothes are sewn, and hand-dyed by me, in Japan.

The works are carefully sewn, well-made, and will last a long time. Fabrics used will soften with wear and washing; colors naturally undergo subtle changes as well over time.

人台に着せつけながらパターンを作ります。
人台に着せてパターンを形作っていきます。

 

■縫製のこと  Sewing method

仕立てにもこだわります。

ロックミシンを使わず、縫い目を折り伏せ縫い(縫い目を折り込んで仕立てること)や割り伏せ縫いで始末しているので、丈夫で長持ち、そして脱いで裏返した時もきれいです。針目も細かく縫います。

例外的に、ウールやウールジャージ(ニット地)を縫う時は、4本糸のオーバーロックミシンも使うこともあります。

折り伏せ縫いの例
折り伏せ縫いの例 / Example of flat fell seam

 

■素材について Materials

時間が経つにつれ風合いのでる、良質の自然素材をつかいます。

・麻 (亜麻 / Linen)

麻には苧麻やジュートなど何種類もありますが、主に使うのはリネン(亜麻)です。

製作には、イタリアンリネン(イタリアのリニフィッチオ社)や、フランスなどのヨーロッパ産の最高品質の糸から日本で織られたリネンを使っています。

リネンはチクチクするものと思っていらっしゃる方もおいでですが、高品質の糸は、織られる前によく洗いがかけてあるため、チクチクすることもなく、とても滑らかです(このあたりがお値段の安いリネンとの差です)。

使えば使うほど繊維がほぐれ、水分を吸い取りやすくなります。なじんで柔らかくなると、もう手放せません。なじんだリネンは、大きなシワもできないほど柔らかく、アイロンかけも必要ありません。着込んでご自分のリネンを育ててみてください。

リネンのいろいろ / linen fabric we use.
リネン 平織りからガーゼまでいろいろ / linen fabric we use

 

・綿(コットン / Cotton)

手間ひまかけて手紡ぎ手織りされたカディコットンは、軽く、涼しく、夏に最適の素材。北インドで作ってもらっています。主に細い糸で織られたものを使っています。また、3年以上無農薬で育てられた綿花からつくられるオーガニックコットンなども使います。

カディコットンとオーガニックコットンローン Khadhi cotton from India and organic cotton lawn.
カディコットンとオーガニックコットンローン / Khadhi cotton from India (left and centre) and organic cotton lawn (right)

 

・毛(ウール / Wool)

冬のケープなどは、先染めのウール、カシミアやアンゴラなど、天然獣毛100%の混紡生地から作っています。リネンとウールの混紡は草木染めしています。

藍で染めたウールリネンのストール
藍で染めたウールリネンのストール/ Indigo dyed woolen linen scarf.

 

カシミアウール。カシミア率の高いものを選んでいます。
カシミアウール。カシミア率の高いものを選んでいます / Cashmere wool fabric for winter items.

 

・糸とボタン

ミシン縫い糸、ボタンつけ糸共に、綿100%の糸を使用(ニットやウール類の場合をのぞく)。ボタンは貝ボタンを手で縫い付けます。白蝶貝、高瀬貝、黒蝶貝、茶蝶貝など。

ボタン
貝ボタン / shell buttons

 

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ペナンへ戻りました

カディコットン khadi cotton

ペナンへ戻ってきました。日本との時差は一時間だけですが、羽田を真夜中出発の便で来たので、夢うつつのままこちらに着いていました。

乗り換えしたクアラルンプールの空港が(ローコスト航空用の)最近新しくなり、乗り換えに延々とターミナル間を歩く不便が増し、セキュリティ事情も変わっていました。エックス線チェックを避けるため、写真のフィルムは手でチェックしてと頼んで意地悪されたこともありましたが(大抵はどこでも快くハンドチェックしてもらえますが)、今回は「このエックス線はフィルムも大丈夫だから、機械に通して!」と、一人しかいない検査官は、ハンドチェックなんてまるでやる気無しです。もうこの空港は通らないぞーーー。

ペナンはよく晴れて、日中の最高気温は34℃ほど。いきなりスコールに見舞われたりしていますが、そろそろここの雨期も終わりのはず。これからは過ごしやすい冬の気候となるはずです。

 

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カディコットンのサンプル/khadhi cotton

 

さて、来年の春夏ものには、インドのカディコットン(手紡ぎ手織りの綿)のブラウスを計画しています。今、インドで織ってもらっているところです。以前からあちこち探して問い合わせていましたが、やっと細くて軽いものを作っている工房を見つけました。光沢があって絹のようでもあります。

 

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Documentary videos I bought recently about the work and lives of two well-known couture designers. ValentinoとYves Saint-Laurentのドキュメンタリー映画。この二つは評判も良いので楽しみです。これから観ます。

 

3ヶ月ほど前に、ピエール・ニネの出ている、映画「イブ・サンローラン」をDVDで観ました(画像の二本とは関係ありません)。

イブ・サンローランのメゾン公認で、衣装も本物を使っているというので期待していましたが、これが凡庸な作品でがっかり。製作の場面に焦点が当てられていたら面白かったのに。夫曰く、「あれはつけ鼻だ!」(←サンローラン役のピエール・ニネの)と。それは本当ですか?!

そして、そのDVDの末路ですが、コウモリ除けにするのに、現在バスルームの窓の外につり下げられています。下の階の女性が苦情を言って来たので、夫がペナンを離れる前につり下げておいたのです。

そういえば、このコウモリ除けになっている方のサンローラン映画には、川原亜矢子さんが出演していました。学生のころ、装苑やハイファッションなど(モード系の雑誌です)を読んでいたので、なんだかあの頃を懐かしく思いました。ハイファッションは休刊になったようですが、ファッション系の学生はどんなものを読んでいるのでしょうか?情報が色々な形で手に入る今、その情報源は雑誌に限らないのかもしれませんね。