ちょうど、本格的にリネンで服を作り始めて6年になります。

近頃は、藍染めのことで頭が一杯の月日を過ごしてきました。デザインというと、定番に加え、少し新しいものを作るという事が続いてきました。ですが、この冬はじっくりペナンで作業することができ(これまで、冬が来るとあちこちフラフラ旅していたので)、新しいデザインの服を作りたい気持ちがどんどん戻ってきています。もう沢山スケッチしました!

「tamami watanabe 春夏秋冬の服」は、ヨーロッパ産の質の高いリネンやオーガニックコットンなどから仕立てたものを、日本のアトリエで草木染めした服たちです。

 それに対し、このあたらしい「indochina」では、ラオス、タイ、ベトナム、インドなどのアジア各地のテキスタイルを使い、後染めはしない服となります。カラーパレットは白、オフホワイト、藍色など。シンプルですっきりしたものを作って行くつもりです。
 
このホームページにも少しずつ書き加えて行きますので、おつきあいくださいませ。
 
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最近は、日本から持って来た、小津安二郎とイタリアのネオリアリズモ期の映画のセットDVDを、皆で少しずつ観ています。
 
小津作品もちょうど同じ戦後の日本を舞台にしていますが、木造の住宅、畳敷きの部屋にちゃぶ台を置き、3世代家族がそれを囲んでご飯を食べる場面など、息子だけにでなく私にも新鮮に感じます。
 
ガチャガチャと動く最近の映画に見慣れた目には、カメラを殆ど動かさない小津作品はとてもゆっくりに思えるのですが、このゆっくりさが心地よいのです。それに、家族を描くのに派手なアクションやCGは必要ないでしょう。
 
親子の間柄でも「おとうさま」「おかあさま」をつけ、敬語で話すとても丁寧な話し方。現代では、もはや家族の中でだれが上なのか下なのかわからなくなっていますよね。いつからこうなったのでしょう?
 
日本から離れても、もうしばらくは小津作品で日本を堪能できそうです。
 

We have been watching as a family several (five to date) films by the Japanese director Yasujirō Ozu from DVDs, a 9-disc set of which I brought with me from Japan.

The films provide a good opportunity for my son to both listen to Japanese spoken by others than I, and give him a look too at post-war Japan, daily family life then, and typical scenes from traditional Japanese homes and offices.

Ozu’s camera work is quiet and steady, especially compared with the often frenetic movement that characterizes more recent film and animation. In time, though, one gets used to this different pace made for a different time.

We are also working our way through a nine-DVD set of Italian films shot around the same time, by directors De Sica, Rossellini, Visconti, about which more in a future post.

 

小津安二郎 麦秋 Early Summer
「麦秋」 Early Summer 1951