バンコクやペナンにいるときは、日本から持って行った「海へ・・・」をつかって、草木染めした服を洗濯していました。その他の衣類やタオルなどは、純せっけん系の洗剤が手に入らないので、ベビー用の洗剤を買って洗濯していたのですが、あちらのベビー用は殺菌を第一の目的にしており、私にはどうも強すぎるよう。咳がでて困っていました。
先進国ならいろいろ選択があるのですが、スーパーなどにズラリと並ぶのは、強い合成洗剤系のみ。仕方なしに、大箱のベーキングソーダ(重曹)を買って洗濯していたことも。
この冬、友達の峰雪さんが、ベトナムのソープナッツのことを教えてくださいました。以前に分けていただいたことのあるシャンプー豆の使い心地も思い出し、バンコクで探してみましたが、タイでは使われていないのでしょうか?残念ながらどちらも見つかりませんでした。
先日、新たに峰雪さんにいただいたのが、そのソープナッツとシャンプー豆。どちらもベトナム産です。
この丸い実がソープナッツ。日本にも生えているムクロジの仲間です。洗濯のほか、煮出した液を台所やお掃除に使えるそうです。
このくらいの量を付属の袋に入れて、洗濯物と一緒に洗濯機へ入れて洗うだけ。天然のサポニンのおかげで控えめですが泡もたち、すっきりきれいになります。排水もそのまま自然にかえしてもよさそう。(サポニンには、界面活性作用があります。水と混ぜると泡立ちます)。
洗浄力がマイルドな「海へ・・・」は、女性のおしゃれ着向けかもしれません。もっとしっかり洗いたい場合(汗をかく夫や息子の服なども)、ソープナッツなら文句なしです。二層式の洗濯機をつかっているのですが、運動着などを洗ったあと、水が汚れているのがよくわかります。弱酸性とのことで、普段着などのほか、シルクや藍染などの服を洗うのにもよさそうですね。
以前、こぬかを小袋に入れてお風呂で使ったり、藍染の服を洗ってみたことがあります。盛大にくしゃみと鼻水がでて、ひどい目にあいました。←自分にイネ科植物のアレルギーがあることを忘れていました。私のようにアレルギーやアトピーのある方も、ソープナッツなら問題ないと思います。
これまで洗剤はいろいろつかってきましたが、「海へ・・・」と、ソープナッツの使い分けで落ち着きそうです。これは嬉しい!!(洗濯のことを語りはじめると、きりがありません、、)。
ソープナッツの実は、何回か繰り返し使えます。一袋に沢山入っているので、結構な回数の洗濯が可能。次回東南アジアへ渡るときには、絶対に何袋かかかえていくつもりです!
こちらのさやは、シャンプー豆。ベトナムでは髪を洗うのに昔から使われてきたそうです。
私の普段の洗髪は、お湯で流すだけ。時々せっけんシャンプーで洗っていますが、私にとって、頻繁に洗いたい季節にはこの豆がぴったり。
このくらいの量のシャンプー豆を数個に切って、お湯をかけてエキスを出し、濾した液で髪を洗います(ベトナムでは、少し焼いてからつかうそうです)。さやがバラバラになるまで使えます。
こちらも天然サポニンのおかげですっきり洗え、それでいて洗いすぎずに髪もツヤツヤになるのです。抜け毛や薄毛にもよいそうです(私は髪が多くて困るくらいなのですが。←髪を下ろした時のあだ名は「ポカホンタス」)。
せっけんシャンプーだと、クエン酸リンスで中和しなければならず、髪にせっけんカスも残ることもあります。弱酸性のこのシャンプー豆は、その必要もありません。
人工的な洗剤の匂いは苦手ですが、このような天然のものを使っていると、草や花などの本来の香りに敏感でいられるように思います。
そういえば、「夏至」という(トラン・アン・ユン監督)映画に、ハノイの美人三姉妹がなかよく外で髪を洗っているシーンがあります。
シャンプーでぶくぶく泡が立っているわけでもないし、ぬれた髪をくしけずるだけで、どうやって洗っているんだろう?と思っていたのですが、その謎がとけました。このシャンプー豆を使っていたに違いありません。ベトナム人女性の髪が豊かでツヤツヤなのもうなづけますよね。
小津安二郎の映画などをみると、昔の日本人には髪がフサフサの人が多いように思います。あの時代は、合成洗剤出現の前ではないでしょうか?現代人は洗いすぎなのかもしれませんね。
ソープナッツ、シャンプー豆、どちらもおすすめです。それから、シャンプー豆の液をつくるのが面倒は方には、すでに煮出した液の瓶(写真手前)もあります。峰雪さんのサイトから、オンラインでも購入できます。こんないいものを紹介してくださって、峰雪さんありがとう!快適に使っていますよ!
そういえば、今日は夏至でしたね。「夏至」を思い出していたら、また観たくなりました。